日本経済新聞の朝刊に掲載されている「私の履歴書」というコラムがあります。
各界の著名人が1ヶ月間に渡って半生を文筆しています。
正直に言ってこの「私の履歴書」が好きではありません。
文筆者は経済人が多いのですが、高度成長期だった半世紀も前の話を読んでも、
ピンときません。「単に時代が良かったんだろう」としか思えない話が非常に多いのが理由です。
それと親族経営の高学歴で金持ちのボンボン…裕福な家庭育ちな人が多いのにも拒絶反応がでます。
1ヶ月間も掲載期間があるので、気が向かない人の際はスルーして一切読まないことにしています。
ただ稀に「この人の私の履歴書は読みたい」と思える人が出てきます。
今月の、吉野家ホールディングス会長の安部修二氏の「私の履歴書」は、とても面白いです。
高校卒業後に福岡からバンドで生きていくために上京。音楽事務所と契約。吉野家のバイトで生計をたてる。バンドを諦めてバイトから正社員。吉野家経営危機から会社更生法を申請…
この後に安部氏が社長になっていくのでしょうが、進路が約束されているボンボン達 裕福な家庭育ちな人達とは正反対なところに共感が持てます。
9/19現在では、会社更生法が受理されてセゾングループの支援が決まったところです。
セゾンと言えば、私が20歳前後のフリーター時代にファミレスのCASAでバイトをしていたことがあります。従業員割引でセゾングループで使用できる割引券が給料明細に毎月付属していましたが、確かに吉野家の名も記してあったのを覚えています。
安部氏の「私の履歴書」が面白いと思えるのは福岡出身、高卒、バンド、セゾンと共通点が多いだけでなく、ストーリー性のある半生に惹かれるのだと思います。
今後の「私の履歴書」の展開が楽しみです。