通っている図書館では、除籍本を利用者に無償譲渡する日がある。プラス利用者の不要な本の持ち込みも合わさって何千冊もの本の譲渡会が大々的に行われていて、毎度多くの除籍書と除籍雑誌を貰っている。
図書館本としては、引き取られた先の我が家で第二の人生を送ることとなる。まあ本に人生はないだろうが（笑）処分の道は避けることができたことになる。
だがコロナ禍になってからは譲渡会は開催されなくなり、図書館の隅の背の低い小さな棚ひとつでひっそりと「気に入った本があればどうぞ」と、かなり縮小された場所に除籍本が置かれるようなっている。
その除籍本の棚から先日一冊の本を手に取り持ち帰った。
この本は著者が旋盤町工場の見習い工、八幡製鉄所労働下宿、トヨタ自動車季節工、旭硝子孫請企業などと実際に工場に潜り込み労働者として体験したルポとなっている。（刊行されたのは1983年とあるが発行は1992年）
多くの出稼ぎ労働者が安月給で劣悪な環境で健康を害しながら働く様は、高度成長期で時代が違うにしても逸脱した事業遂行の内容が凄まじい。
コンプライアンスが取り沙汰されている昨今では、とてもあり得ない話だ。と読み終わった後にこんなツイートがタイムラインに流れてきた。
【手取り15万円 自動車整備士の窮状】https://t.co/sOsXhNe4hL
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2022年9月5日
結局、時代が変わっても世の中は変わっていないのかもしれない。
