雑誌CG「カーグラフィック」に2代目ホンダプレリュードの当時のデビューCMについての特集があった。その際にBGMで使用されたのがフランスの作曲家ラヴェルのボレロ。
プレリュードは音楽用語で前奏曲を意味する。これから何かが起きそうだと期待を膨らまさせる前奏曲「プレリュード」の名と、一定のリズムと旋律の繰り返しで構成され優雅な静けさから劇しく移り変わる「ボレロ」の起用はよく考えられたストーリーでした。
後にCMで登場する赤いプレリュードのジャケットでボレロのコンピレーションレコードが発売されクラシック盤で空前のヒットとなったそうです。クラシックを普段聴く事のない人にボレロの魅力が響いたのだろうね。
岩陰から姿を現すプレリュードの演出がなんとも言えません。
1982 HONDA PRELUDE BOLERO 1 Ad
ボレロを演奏する機会には恵まれませんでしたが、私にとってボレロは特別な曲です。
高校時に部の後輩に借りたCDにボレロが入っています。今となっては借りたまま30年もの歳月が経過してしまったのですが、このCDはクラリネット吹きだった亡き彼の形見として大切にしています。
17分余りの曲全体がクレッシェンドのようなボレロを聴いていると、まるで誕生から終焉までの人間の長い一生を喩えているようです。