久しぶりにBach(バック)を吹く。ケースから取り出し先ずは分解洗浄から始めグリスアップをしてクリーナーで磨く。1990年代初頭の楽器にしては、なかなか美しさを保っているトランペットだと思う。
最近はノーラッカーのGetzen(ゲッツェン)という楽器を週一位で吹いている。これは太管でとても吹きやすく音色が柔らかい。
Bachは芯があり音色に重みがある。使うマウスピースのせいもあるがBachは鳴らすための吹き方がある。久しぶりに吹くと鳴らしにくく怠けを感じた。
確かに怠けている。バンドを抜けステージに立つ機会が無くなり、練習する必要が無くなったからだ。
かろうじて週一で吹けているのは、レッスンで生徒さんに吹いて聞かせるためだ。その場では手本になるような綺麗な音色を出す為にGetzenと深いカップのマウスピースで無難な音(ここだけの話)を出している。
Bachを思いっきり吹くと、空間がビリビリと振動し音圧が掛かるのが分かる。バンドから離れこの感触から遠ざかっていた。そう、これがオレのトランペットの音なのだ。
表題は「マイルス・デイヴィスの名言」より