トランペットを吹くためには腹式呼吸が重要であると、初めてトランペットを手にした時から言われ続けてきた、もちろん40年近く吹き続けている今でも腹式呼吸が重要だと意識している。
今更だが腹式呼吸を改めて理解してみようと思う。
まず呼吸する空気は口から気管を通り肺に入る。当然トランペットを吹く時も同じように肺に空気が送り込まれる。
腹式呼吸という名ではあるが腹に空気は到達することはない(腸内に若干の空気ガスが入ることはあるがごく少量)ではなぜ腹式呼吸を使ってトランペットを吹く時に息を吸うと腹が膨らむのかロジカルシンキングしてみよう。
肋骨の下(赤で記す)に横隔膜という膜状の筋肉がある。横隔膜は肺、心臓がある胸部と胃、肝臓、腸を腹部の境を隔てているドーム状の大きな筋肉
胃、肝臓、腸などの臓器がある腹部(青で記す)を腹腔という
大きな吸気を吸うと肺と肋骨が広がる、それに伴い横隔膜が圧迫されて縮みながら下がる。
そうすることで横隔膜と骨盤に窮屈に挟まれた腹腔が左右前後へと広がる。これがトランペットを吹く際に腹が膨らむ理由だ。
この圧力が腹式呼吸と呼ばれるメカニズムになる。また横隔膜は脊柱とも繋がっているので背筋も反応する。腹圧が高まることで脊柱を前から支え、後ろから背筋によって脊柱を安定させることができる。腰の少し上あたりが腹式呼吸で動くのは腹腔と背筋の反応によるものだと考えられる。
このようにして腹式呼吸によって生み出された呼気を上手にブレスコントロールして楽器に伝達することがトランペット(管楽器)には必要であるということが理解できた。
今まで感覚だけでやってきたことを改めて理論として深掘りしていこうと思う。全てはこれからのプレイ向上のために。