何だかんだと慌ただしく過ごしていて、最近ゆっくりと音楽が聴けずにいた。
やっと日曜に時間ができ「レコードでも聴くか」という気分になれた。レコードは時間をかける媒体なので、時間に余裕があるときしか触れられない。
真空管アンプを暖機させている間に音盤を選び、紙ジャケットから取り出し埃があればブラッシングして、そっと針を落とす。そしてA面が終わりひっくり返してB面にする。この一連の作業を儀式的に行い、次の盤へと替えていく。
指一本で簡単に曲が流せる時短とかタイパとか騒がれている今の時代に逆行して、ここまで贅沢に時間を費やしているレコードというものがもしも存在しなかったら、私の人生はスピードに流され過ぎてもっともっと耐え難いものになっていたはずだ。と、大袈裟に言っておく。
好い音楽を聴くと音楽がしたくなる。久しぶりに防音室に篭りみっちりとトランペットを吹いた。
演奏をするという目的を無くすとどうしてこんなに怠けてしまうのだろうか。今のところまだ吹けてはいるが、いつかまともに吹けなくなってしまう日が来るかもしれない。
そうならないように、いい加減に所属先を決めたいとは思っているが、まだ見つかりそうにはない。