昨日、所属するビッグバンドのワンマンライブがあった。初っ端のオープニングにソロを吹くことになった話↓そのソロが結果どうだったのかという事について書こうと思う。
このソロは、カウント・ベイシーの超有名曲で誰もがよく知っているソロフレーズ。短いソロではあるが私のようなジャズ初心者でなくとも難しいと後から聞いた。簡単に受けてしまったが、後々引き受けたことを後悔することになるとは、、、、
このソロの難しさは前半スタッカート、後半レガートの2つの構成に分かれハイトーンを交えたメロディ。そして伴奏に合わせようと聴き過ぎるとシンコペーションに引き込まれテンポを失ってしまう。
これまでリハでバンドとソロを合奏できたのは、たったの4回(↑の記事を含む)もちろん毎日ソロフレーズをしこたま練習していたのだが合奏ではどれもイマイチな演奏しかできなかった。
それでも来る日も来る日も個人で猛練習をした、その他に14曲あるがとにかくソロを中心に。
だが本番1週間前のリハでも満足いける演奏はできなかった。個人練習では完璧に吹くことができるだけに辛い。
「このまま吹けないかも」と、夜中目が覚めて不安に思う日が続き、考えるだけで手に汗が滲むように。そんなことを考え出すと過去の大きな失敗した経験を思い出してくる。
駄目だ、このままでは間違いなく失敗してしまう。どうにかしなければ…
そもそも何故トランペットを吹き続けているのか、それは好きだからであり学生時代にやり残したことを追求するためだ。だから「お前は音楽が好きなんだろ」だったら楽しめば良いだけじゃないか。そう何度も自分に言い聞かせた。
そして、ライブ当日のゲネプロが始まった。ケツ曲から順に触りだけリハが続き、とうとうオープニング曲の順が来た。バンマスが「頭からラッパのソロまで流す」と言う。
カウントで曲が始まり小節が進み次第にソロ部分へとくる、リズムに合わせて身体を動かす「そうだ楽しいんだ」そう考えながら出番を待った。
ソロが終わると同時にゲネプロが終わり、バンドメンバーが皆こちらを向いて拍手をしてくれた。手応えは自分が一番感じていた、力量の120%が出せたような気がした最高のソロが吹けた。
このまま本番でも吹ける。もう自信しかなかった。
本番では満員の観客の中、心地よい緊張感の中でソロを吹き終えることができた。
今回のライブには父親がカウント・ベイシーが好きなので両親を招待した。父親にはソロのことは黙っていたのだが、しっかりと動画を撮影していて、ライブ後に動画を送って来てくれた。今朝見るとソロ後に「おおー」と父親が唸っていたので、よいソロだったと思ってくれたに違いない。
ライブ後の打ち上げで多くのメンバーにも「いいソロだった」と声をかけてもらえた。そして打ち上げのビールが最高に旨かったことは言うまでも無い。